クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

遠い国の「原発戦争」

執筆者:徳岡孝夫 2014年5月9日
エリア: ヨーロッパ

 オバマ大統領の東アジア歴訪中も、ワシントンとNATOはウクライナ危機の温度を徐々に高める対露制裁を追加し続けた。対するウクライナ領内の親露派は折れる気配なく、逆にますます支配圏を広めている。どこかで、どちらかの誰かがミサイルを1発撃てば、第3次世界大戦(キエフ放送は、すでにその言葉を使ってプーチン露大統領を非難している)が始まりそうな気配である。

 今年はサラエボ街頭で発射された1発の銃弾がオーストリア皇太子を斃してから100年に当る。悲観的な人は「人類滅亡前の最後の世紀が始まった」と言っているらしい。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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