「腐っても三越」をファンドが狙い始めた

執筆者:安西巧 2007年5月号
タグ: 日本

大阪での“再チャレンジ”も勝算は芳しくなく、次なる再編の目玉に擬せられつつある三越。だが、狙うのは同業他社ばかりではなく――。「梅田地区には百貨店や多様な商業施設が集積していて条件は厳しいが、独自性のある店作りをしていけば、三越にも勝算はある」 四月五日、大阪市内で記者会見した三越社長の石塚邦雄(五七)は、二〇一一年春に開業予定の「大阪店」(北区梅田、大深町)の店舗戦略をこう語った。 三越が出店するのはJR西日本が大阪駅北側に建設する「新北ビル」(地下三階地上二十八階建て)の地下二階から地上十階までの部分。売り場面積約五万平方メートル、初年度五百五十億円の売上高目標を掲げ、「日本橋本店、銀座店と並ぶ旗艦店にする」と石塚は強調した。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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