いま、地震保険の「仕組みと意義」を考える

執筆者:鷲尾香一 2007年5月号
タグ: 日本
エリア: アジア

今年、四十年ぶりに地震保険料が改定される。能登半島地震の被害も記憶に新しいいま、保険の仕組みと意義を再認識する必要がある。「この時期に石川県であんな大地震が起きるなんて皮肉としか言いようがない」 能登半島沖でマグニチュード六・九の地震(能登半島地震)が発生した三月二十五日、ある損害保険会社の幹部はそう語った。地震による死者は一人、負傷者は三百人を超えた。建物の全壊は五百棟を、半壊も九百棟を超え、一部破損に至っては約七千四百棟という甚大な被害をもたらした(四月十二日時点)。冒頭の幹部が「皮肉」と感じたのは、今年、石川県における地震保険の保険料(すなわち掛け金)が引き下げられることになっているからだ。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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