中国版グラスノスチの微妙なせめぎ合い

執筆者:藤田洋毅 2007年7月号
タグ: 中国
エリア: アジア

かつてゴルバチョフが進めたグラスノスチ(情報公開)は、結局、ソ連崩壊を呼んだ。中国メディアの巧妙な報道と、容認する指導部の思惑は……。「飲酒運転のドライバーを取り締まる際は、まず携帯電話を没収するのです」。北京市公安局の幹部は明かす。違反者には共産党・政府の幹部や企業家らが多い。彼らが「その場で後ろ盾の有力幹部に連絡し、公安局上層に圧力をかけて違反をもみ消すのを防ぐため」だという。「人民の不満は沸騰して」おり、見逃した後に事故でも起こしたら「私の首が飛びます」と幹部は続けた。おかげで北京では飲酒運転が着実に減っており、ドライバーを自宅まで送る代行運転業者が繁盛し始めた。

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