「最高人民会議後」の北朝鮮(上)「最新序列」で見えた「労働党政治局の再編」

執筆者:平井久志 2015年4月21日
タグ: 金正恩 北朝鮮

 北朝鮮は4月9日、最高人民会議第13期第3回会議を開催し、2014年決算と2015年予算を採択、国防委員会の朴道春(パク・ドチュン)委員を解任し、金春燮(キム・チュンソプ)前慈江道党責任書記を国防委員に選出した。
 今回の最高人民会議は従来の路線からの大きな変化はなかったが、その中から2月18日に開催された朝鮮労働党政治局拡大会議で決定された「組織(人事)問題」の決定内容が浮かび上がって来た。それは金正日(キム・ジョンイル)総書記死後3年を経た金正恩(キム・ジョンウン)政権の微妙な変化を示すものであり、軍で断行された世代交代の波が次第に労働党にも波及し始めたようにもみえる。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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