深層レポート 日本の政治 (183)

「支持率」を睨みながら「安保国会」は進む

2015年7月9日
エリア: アジア

 与党が国会の会期を9月27日まで大幅延長した目的は、言うまでもなく5月15日に政府が提出した安全保障関連法案の今国会での成立を期すことにある。政府・与党提出法案は自民、公明両党が衆参両院で過半数を握っているのだから、理屈の上では成立しないはずがない。にもかかわらず、与党がもたついているのは、自民党の国会対策が失敗続きだっただけでなく、安倍政権が世論の反発を無視できなくなっているからである。
 維新の党と民主党の対案をどのように処理するかという不確定要素はあるものの、政府提出の安全保障関連法案がいずれ採決されることは間違いない。ただ、安倍政権としては、国民の反発を極力抑えた状態で採決を終えたいはずだ。内閣支持率の低下が、安倍晋三首相の悲願でもあるこれからの憲法改正作業にも悪影響を及ぼすからだ。

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