粉飾決算「東芝」が上場廃止にならない「奇妙な理屈」

執筆者:磯山友幸 2015年7月14日
タグ: 中国 日本
エリア: アジア

 東芝の「不適切会計」問題で、会社が設置した第三者委員会が近く報告書をまとめる。すでに、関係者の話として様々な先行報道がなされているが、経費を実際より小さく見積もるなど、損失を先送りすることで利益をかさ上げする不正行為が、長期にわたって行われていたことは間違いない。当初、社内調査で明らかになった原発部門などでの500億円の利益水増しでは収まらず、パソコン事業など幅広い分野で1500億円以上にのぼると見られている。報道の中には2000億円を突破するという指摘もある。組織ぐるみで粉飾決算に手を染めていたことが明らかになりそうだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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