“好事魔多し”とはまさにこのことだろう。
昨年12月以降、当初困難とされていた老朽原発の高浜原子力発電所(福井県)1、2号機の安全審査「合格」に始まり、福井地方裁判所における高浜3、4号機の再稼働差し止め訴訟での勝訴と、それに続く両機の再稼働実現など、朗報続きだった関西電力が見事に足元を掬われた。3月9日に大津地方裁判所が下した高浜3、4号機の運転を差し止める仮処分決定は、同社首脳陣が描いていた業績回復のシナリオを根底から覆した。5年前の東京電力福島第1原子力発電所事故(3.11)後も再稼働一本槍で巨額の投資を注ぎ込んできた関電にもはや戻る道はなく、同社関係者自身も認めてきた「原発と心中」がいよいよ現実味を帯びてきている。
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