中国、ロシア艦船が尖閣列島接続水域内を航行した。脅威は、何らかの理由で警戒を要する相手がいて、その行動、あるいは軍事力の整備に、相手の意思があからさまになる時に感知できる。そこで、「接続水域」における中・露の行動が脅威であるならば、その意思とは何か、中国の場合を考えてみたい。それは次のキーワードに秘められているのではないか。
それぞれの戦略
「Anti-Access/Area Denial (A2/AD)」は、米国防総省が行った議会年次報告「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2016」で指摘している中国の戦略的意図のキーワードである。また我が国の『防衛白書』中の記述、「第1列島線/第2列島線」は、「戦争の世紀」に覇権掌握の諸理論が主導して生まれた「生存圏」、「自給自足圏」、「パン・リージョン」などと同類の、中国の地政戦略を象徴する言葉である。
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