「3つの大渦」に翻弄される韓国(2)「特別検察官」vs.「青瓦台」の大攻防戦

執筆者:平井久志 2017年2月8日
エリア: アジア
特別検察官のトップとして、朴槿恵大統領を追い詰める朴英洙弁護士 (c)EPA=時事

 第2の渦は、特別検察官の捜査の行方だ。韓国国会は昨年11月17日、政府から独立した「特別検察官」による捜査を行う特別法案を可決した。同22日の閣議で元ソウル高検長を務めた朴英洙(パク・ヨンス)弁護士をトップとする特別検察官が設置された。特別検察官の活動は準備期間20日、活動期間70日で、30日間延長できる。最初の活動期間の満了は2月28日だ。30日間の延長は黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行の承認が必要になる。黄教安代行が延長を承認するかどうかは明確でないため、特別検察官は2月28日を目標に捜査を行っている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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