フランス大統領選「極右」ルペンの実像(3)父を「2度殺した」娘

執筆者:広岡裕児 2017年4月22日
エリア: ヨーロッパ
いよいよ決戦の日が(C)AFP=時事
 

 1986年の国民議会(日本の衆議院にあたる)選挙で、通常の小選挙区2回投票制では大惨敗が予想されたため、社会党政権は得票数がそのまま反映される単純比例代表制にかえた。そのおかげで「国民戦線」(FN)は共産党と同数の35議席を獲得した(定数577)。ジャン=マリー・ルペンも四半世紀ぶりに国会議員に返り咲いた。だが、1年もたたぬうちに“有名税”を払わされることになる。

ダメージにならなかったスキャンダル

 まず、泥沼化していた離婚調停中のジャン=マリーの不用意な発言に憤慨した妻が復讐するため、『プレイボーイ』誌フランス版にヌードを発表した。娘のマリーヌ・ルペンは母のあられもない姿に「地震に遭ったような」衝撃を受け、世間が忘れるまで「北極に行って氷小屋をつくって隠れていたかった」と自伝に書いている。そのとき、彼女は18歳、パリ第二大学法学部の学生だった。北極には行かなかったが、大学を2週間休んだという。

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執筆者プロフィール
広岡裕児 1954年、川崎市生まれ。大阪外国語大学フランス語科卒。パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーベル)留学後、フランス在住。フリージャーナリストおよびシンクタンクの一員として、パリ郊外の自治体プロジェクトをはじめ、さまざまな業務・研究報告・通訳・翻訳に携わる。代表作に『エコノミストには絶対分からないEU危機』(文藝春秋社)、『皇族』(中央公論新社)、『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』(新潮選書)ほか。
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