「犯罪の温床」でも規制できない「ダーク・ウェブ」の深い闇

何の変哲もない無機質なビル。ここに世界を震撼させるソフトウェア「Tor」の本部が(筆者撮影)

 

 私たちが日常的に使うインターネットには、普通ではアクセスすることのできない闇の世界が存在することをご存知だろうか。

 その世界は「ダーク・ウェブ」と呼ばれる。日本語にすると「闇ウェブ」と訳されるが、ダーク・ウェブとは、私たちが普段使うインターネットのグーグル検索などではたどり着けない特殊なウェブサイトを指す。ダーク・ウェブにアクセスするには、インターネットを匿名で利用できるソフトを使って巨大なダーク・ネット(地下ネットワーク)に接続する必要があるのだが、逆を言えば、そのソフトさえ使えば誰でもその世界に足を踏み入れることができる。

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執筆者プロフィール
山田敏弘(やまだとしひろ) 国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『CIAスパイ養成官』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』(講談社)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)。公式YouTube「山田敏弘 SPYチャンネル」 (https://www.youtube.com/channel/UCVITNlkbLneMV-C9FxzMmEA)も更新中
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