連載小説 Δ(デルタ)(20)

執筆者:杉山隆男 2017年9月2日
エリア: 北米 アジア
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島と北小島、南小島 (C)時事

 

前回までのあらすじ】

執務室でつかの間のティータイムを過ごす門馬・内閣危機管理官と、後輩の滝沢・内閣情報官。彼らの眼前には、状況をリアルタイムで映す3つのディスプレイと、2台のテレビがあった。テレビには巡視船「うおつり」乗っ取り事件に関する特別番組が流されている。犯行グループの「愛国義勇軍」は中国の反体制グループのようだが、中国はこれを利用して「センカク」に対処するのではないか。しかも、もし自衛隊が動いたら――。

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執筆者プロフィール
杉山隆男(すぎやまたかお) 1952年、東京生れ。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興亡』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。1996年『兵士に聞け』で新潮学芸賞受賞、以後『兵士を見よ』『兵士を追え』とつづく「兵士シリーズ」は7作目の『兵士に聞け 最終章』で完結した。ノンフイクション、小説、エッセイなど精力的に執筆し、『汐留川』『昭和の特別な一日』『私と、妻と、妻の犬』など著書多数。
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