日本政府も! 監視用「サイバー攻撃システム」ビジネスの最前線

自らの汚職疑惑を追及するジャーナリストを「監視ソフト」で追いつめようとしたペニャ・ニエト大統領(C)AFP=時事

 

 メキシコの著名な女性ジャーナリスト、カルメン・アリステギが、エンリケ・ペニャ・ニエト大統領にとって大打撃となる汚職疑惑をスクープしたのは2014年のこと。

 すると翌年1月から、アリステギの携帯電話などに様々な怪しいテキストメッセージが届くようになった。たとえば、在メキシコ米大使館からは、ビザに問題が見つかったためにリンク先の詳細をチェックしてほしい、というテキストメッセージが届いた。また別の日には、「前のメッセージが送信できませんでした」というメッセージが来たり、行方不明の子供を探してほしいというメール、アリステギの誘拐計画があると知らせるメールなど、いろいろなメッセージが送られてきた。

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執筆者プロフィール
山田敏弘(やまだとしひろ) 国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『CIAスパイ養成官』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』(講談社)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)。公式YouTube「山田敏弘 SPYチャンネル」 (https://www.youtube.com/channel/UCVITNlkbLneMV-C9FxzMmEA)も更新中
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