バンドゥーラの音色にのせて(3)運命的な出会い

執筆者:カテリーナ・グジー 2017年9月15日
タグ: 日本
エリア: ヨーロッパ アジア
バンドゥーラと響きあうカテリーナさんの声は、心に沁み込んで来るかのよう (筆者提供、以下同)

 

 中学校を卒業後、私は16歳で「レフゥツキー音楽学校」に進学しました。バンドゥーラの演奏技術、音楽理論を本格的に学ぶためです。

  そしてチェルノブイリ原発事故から20年目の2006年、卒業を間近に控えた私は、日本ですでにバンドゥーラ演奏家として活動していた姉と、初めて日本に来た両親も一緒に、家族4人で日本全国を公演で回りました。私と姉がバンドゥーラを演奏して歌ったあと、後半では、ステージのバックにチェルノブイリ原発事故に関係する映像を流しながら、父が通訳を交えて日本の皆さんに体験談を語るのです。初めてコンサートに同行し、客席で見ていた母が、「コンサートを開くのがこんなに大変だったなんて」と驚いていたのを覚えています。

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執筆者プロフィール
カテリーナ・グジー(かてりーなぐじー) バンドゥーラ奏者。1986年、ウクライナ・プリピャーチ生れ。幼少期より故郷ウクライナの民族楽器であるバンドゥーラに触れ、民族音楽団「チェルボナカリーナ」で活動する中で、10歳の時に日本公演のため初来日。16歳からウクライナ・レフゥツキー音楽専門学校で声楽、バンドゥーラの演奏技術、音楽理論を本格的に学んだ後、2008年、音楽活動の拠点を東京に移す。現在は日本で活動する数少ないバンドゥリストの一人として、国内ツアーの開催やライブハウスでのパフォーマンスなど精力的な活動を行っている。
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