【前回までのあらすじ】
乗っ取られた巡視船「うおつり」では市川が孤軍奮闘を続け、東京・永田町の首相官邸では、緒方総理を中心に様々な動きが繰り広げられている。そんな中、センカクへと向かうデルタ29名の精鋭は、いよいよ護衛艦「かが」を出発しようとしていた。
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鉄扉を開けてヘリ空母「かが」の飛行甲板に出た磯部は、自分がオペラの舞台上に躍り出たかのような錯覚にとらわれた。サーチライトに明るく照らし出された甲板の左舷側にUH60が4機縦列でならび、すでにエンジンを始動させて発艦準備を整えつつある。
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