映画『デトロイト』で見えるハリウッド・ビジネスの「実話」

映画『デトロイト』公式HPより

 

 1968年とその前後1年くらいを背景にした映画を、私は勝手に「68年物」と呼んでいる。映画『デトロイト』(2017年/キャスリン・ビグロー監督、公開中)は1967年の夏にアメリカミシガン州デトロイトで起こった「アルジェ・モーテル事件」の映画化だから、まずその範疇と思って観た。

 デトロイトの黒人暴動のさなか、アルジェ・モーテルから警官たちに向かって銃声が轟く。実は競技用ピストルだったのだが、白人警官らは銃の所在をめぐって、モーテルの客――若い黒人男性6人と、2人の白人女性――に暴力的な尋問を行う。最終的に3人の死者が出るが、その後の裁判で白人警官たちは無罪になる。この恐怖の尋問40分が眼目で、アップを多用し、短いカットを積み重ねて緊迫感を演出していた。実際の事件を経験した「被害者」3人が、撮影中もコンサルタントとして助言したという。

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執筆者プロフィール
長谷川康志 1978年横浜生まれ。映画批評家。酒豆忌(中川信夫監督を偲ぶ集い)実行委員。2012年より『映画論叢』(国書刊行会)にて「デジタル過渡期の映画上映」を連載中。
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