米トランプ政権が口火を切った中国との貿易紛争は、「保護貿易の台頭」「自由貿易体制を揺るがす」といった大げさな見出しが新聞を賑わしたが、米中両国はお互いの“カード”を見切ったうえで駆け引きをしているに過ぎない。米国は関税上乗せなど輸入制限をカードにIT産業での主導権維持と国内への工場回帰を求め、中国は米国からの大豆、原油、液化天然ガス(LNG)の輸入をカードに幅広い製品の対米輸出維持を狙っている。“貿易紛争”は米中間の経済構造の調整の効果を持ち、解決後は米中の相互依存関係は安定化し、より深まるだろう。
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