原発「廃炉処理」より必要な原電「破綻処理」

執筆者:安西巧 2018年7月30日
タグ: 中国 日本 原発
エリア: アジア
「安全審査」で事実上の合格を得ながら、再稼働への道は厳しい東海第2発電所 (C)時事

 

 日本原子力発電(以下原電、本社は東京都千代田区)の東海第2発電所(茨城県東海村)に対し、原子力規制委員会が「安全審査」で事実上の合格証を出したのは7月4日だった。だがその後、再稼働の機運はさっぱり盛り上がらない。

 それもそのはず、同原発は東京都心から約130キロと近接し、半径30キロ圏内の14市町村に約96万人が居住している。すでに「再稼働反対」の声が広がり、地元の東海村はともかく、今年3月に新たな安全協定を結んだ周辺5市(茨城県水戸市、日立市、常陸太田市、ひたちなか市、那珂市)が揃って「再稼働」を事前了解する可能性は極めて低いのだ。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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