苦し紛れの「4社提携」で露呈した原発事業「八方塞がり」

執筆者:安西巧 2018年9月3日
エリア: アジア
2018年1月、中部電力浜岡原子力発電所の防波堤を視察する川勝平太静岡県知事(右から3人目)。再稼働は絶望視されているものの、南海トラフ地震への対策で巨大な防波堤が築かれた (C)時事
 

 8月下旬に新聞各紙が大きく報じた東京電力ホールディングス(HD)、中部電力、日立製作所、東芝による「原子力事業提携」。沸騰水型軽水炉(BWR)の運営・製造に関わる4社が、既存原発の保守管理や廃炉作業の共同化、原発新設プロジェクトの再開などで「連合」を形成し、将来的には原発事業全体の統合も視野に入れるとする。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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