トランプ政権「2つの政権内部暴露」の衝撃

執筆者:足立正彦 2018年9月11日
エリア: 北米
おかげで記者団に対してもかなり機嫌が悪い(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 レイバー・デー(労働者の日)休暇も開け、11月6日に投票が行われる中間選挙に向けて選挙キャンペーンが本格化している。ドナルド・トランプ大統領自身も、上下両院での与党・共和党の多数党の立場を維持すべく共和党候補支援の遊説のために全米各地を駆け巡っていた9月第1週、政権内部に関する2つの暴露がトランプ政権を直撃した。

ウッドワード氏の新著

 カール・バーンスタイン氏とともにウォーターゲート事件の調査報道でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだことで知られる『ワシントン・ポスト』現編集主幹のボブ・ウッドワード氏が、トランプ政権中枢の関係者らに対する取材や政府関係者の日記などに基づいて著した新著『恐怖:ホワイトハウスのトランプ(Fear: Trump in the White House)』が9月11日に発売される。発売を控えた9月4日、『ワシントン・ポスト』電子版は新著の中で明らかにされているトランプ大統領を巡る政権内の混乱ぶりについて報じた。政権暴露本と言えば1月、作家兼ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏が首席戦略官兼大統領上級顧問(当時)であったスティーブ・バノン氏らに対する取材に基づき、トランプ大統領の精神状態に焦点を当てつつ政権の内幕を描いた『炎と怒り(Fire and Fury)』が話題となった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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