シリーズ:中国「見そこない」の歴史(7)火野葦平の場合(下)

執筆者:樋泉克夫 2018年10月24日
カテゴリ: 国際 政治 文化・歴史
エリア: 中国・台湾 日本
『赤い国の旅人』収録の『世界紀行文学全集』12巻

 

火野葦平『赤い国の旅人』(『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)

 某日、中央人民政府鉄道部(中国鉄道省)の車両修理工場見学の折りのことである。所長が工場に関する紋切り型の説明を行った後、革命の過程において同工場で展開された血の労働運動史を2人の「老闘士」が語った。すると、〈一行中の労働運動家、国鉄労組の若い代表、左翼教授たちの眼がいきいきと輝〉きだした。常久などは通訳を介し、〈われわれ日本の労働者も、あなた方の輝かしい勝利の記録にならって、資本主義や帝国主義とたたかいます。どんな困難があってもかならず革命を成就させる決心です。どうぞ、お二人ともそれまで長生きして、日本の革命を見て下さい〉と、日本革命への“固い決意”を披瀝するほどである。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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