医療崩壊
医療崩壊(17)

「医療崩壊」と闘った故「仙谷由人」元官房長官の「気概」と「行動力」

執筆者:上昌広 2018年11月13日
カテゴリ: 医療
エリア: 日本
官房長官時代の仙谷氏。2010年を「拓」(ひらく)という漢字1字で表した(C)時事

 

 10月11日、仙谷由人・元官房長官が亡くなった。あまり知られていないが、仙谷氏はわが国の医療にとってかけがえのない政治家だった。もし、彼がいなければ、日本の医療、特に産科医療は崩壊していたと言っても過言ではない。今回は、仙谷氏の医療にまつわるエピソードをご紹介したい。

 筆者が仙谷氏と知りあったのは、国立がんセンター(現国立がん研究センター)中央病院在籍中の2005年のことだった。当時、仙谷氏は翌2006年に成立することになる議員立法の「がん対策基本法」に取り組んでいた。胃がんを患い手術を受けた経験からも、がん医療を良くしたいという熱意を感じた。私もお手伝いしたが、「胆力があり、相手の懐に飛び込むのが上手い」という印象を抱いた。民主党政権下で、彼が官僚の心を掴んだのも当然かもしれない。

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執筆者プロフィール
上昌広 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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