対中「貿易戦争」だけではない「軍事力」攻防で米国の「焦り」(下)

中国が誇る初の国産空母「遼寧」(C)AFP=時事

 

「力がつけば戦争せずとも相手は屈服する」。

 この言葉は、リーマンショックを経て中国で大国意識が高まって以降、現地の官僚や研究者が頻繁に筆者に突き付けてきた言葉だ。

 こうした思考には、「孫子の兵法」(謀攻篇)が背景にある。同法にはほかにも、「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」「用兵の法は、十なれば、則ち之を囲み、五なれば、則ち之を攻め、倍すれば、則ち之を分かち、敵すれば、則ち能く之と戦い、少なければ、則ち能く之を逃れ、若かざれば、則ち能く之を避く」とある。

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執筆者プロフィール
野口東秀 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
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