世界漫遊「食考学」の旅 (10)

【クロアチア・ドゥブロブニク】牡蠣で思い出す虐殺の目玉(下)

執筆者:野嶋剛 2018年12月7日
タグ: 日本
「スタリ・モスト」が美しいモスタルだが、今なお紛争の爪痕が……

 

 ボスニア紛争の舞台となったボスニア・ヘルツェゴビナに向かった。牡蠣のストンからさらに10キロほど北上すると国境を越える。目指したのはモスタルという同国南部の都市だ。モスタルはボスニア紛争で徹底的に破壊された都市の1つであり、破壊の主役を演じたのはクロアチア人だった。

 両国の国境に一応ゲートはあるが、スタンプも旅券のチェックもなく、車は通された。両国は仲良し、なのかと思えば、実際はそうではない。ただ、あまりに国境が入り組みすぎていて、住民の往来が活発なので、管理する実効性がないため、放置しているという感じだ。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top