「米中貿易戦争」を加熱させる中国の「無知」と「無恥」

執筆者:柯隆 2018年12月20日
エリア: 北米 中国・台湾
北京のカナダ大使館では警戒が強まっている (C) AFP=時事

 

「易経」では、末尾「9」の年は中国にとって何か大きなことが起きると言われている。30年前の1989年には、学生と市民が民主化を求める天安門事件が起きた。では2019年は中国でどんな出来事が起きるだろうか。

 筆者には、易経の知識もなければ、占いの能力もないが、2018年に起きた米中貿易戦争がすでに中国経済と中国社会に十分な影を落としていることは見て取れる。

毛沢東時代の「論理的飛躍」

 共産党中央委員会にもっとも近い学者たちは、習近平中国国家主席に忖度して、「中国は科学技術においてすでにアメリカを全面的に超越した」と豪語する。その代表的な1人は、清華大学の胡鞍鋼教授(経済学)である。国営放送『中国中央電視台』(CCTV)は、彼が「我が国はほんとうにすごい」と熱弁をふるうドキュメンタリー番組を制作し、ゴールデンタイムに放映した。こうした言論は指導者に迎合するほか、間違いなく人民を鼓舞する効果がある。

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執筆者プロフィール
柯隆 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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