米露「INF条約破棄」の「なぜ」と「どうなる」(下)

執筆者:小泉悠 2019年2月25日
エリア: 北米 ロシア
ロシアが公開した、くだんの新型ミサイル「9M729」(C)EPA=時事

 

 前回(米露「INF条約破棄」の「なぜ」と「どうなる」上 2019年2月12日)の小欄では、ロシアによるINF(中距離核戦力)全廃条約違反の現状とその背景について取り上げた。そこで今回は、この問題を米国側の視点から考えてみたい。

 米国が条約の履行停止という措置に踏み切った直接の要因がロシアの条約違反にあることに、疑いの余地はない。米国はロシアが2000年代半ばから条約違反の地上発射巡航ミサイル(GLCM)「9M729」の開発を行っていると見ており、2013年以降、ロシア政府に対してこの問題を提起してきた。

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執筆者プロフィール
小泉悠 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から東京大学先端科学研究センター特任助教。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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