開票速報から見えた「インドネシア大統領選」ジョコウィ再選確実「真の立役者」

執筆者:川村晃一 2019年4月26日
エリア: アジア
「ジョコウィ支持」の実態とは――(筆者撮影)

 

 4月17日に投票が行われたインドネシアの大統領選挙は、現職のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)の再選がほぼ確実となった。

 選管による集計作業は現在も続けられており、公式の結果が発表されるのは5月下旬の予定であるが、複数の世論調査機関が発表した開票速報は、いずれもジョコウィの得票率が約55%、対するプラボウォ・スビアントの得票率が約45%という値を示しており、公式の結果もこれに近い数字が出るだろう。

 ただし、ジョコウィは「公式の結果が発表されるのを待つ」と述べて勝利宣言することを控え、選挙後の国民の融和を呼びかけた。一方プラボウォは、独自集計で62%の得票率だったとして「勝利宣言」を行うとともに、「“ピープル・パワー”を準備する」と述べて支持者の動員をちらつかせるなど、敗北を認めない姿勢を崩していない。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 海外調査員(インドネシア・ジャカルタ)。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。2024年からインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)客員研究員。主な著作に、『教養の東南アジア現代史』(ミネルヴァ書房、共編著)、『2019年インドネシアの選挙-深まる社会の分断とジョコウィの再選』(アジア経済研究所、編著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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