グローバル化の終焉を意味する米中「新冷戦」の行方

執筆者:柯隆 2019年5月20日
エリア: 北米 アジア
トランプ大統領の「対中攻勢」は、やはりダメージが大きい (C)EPA=時事

 

 あらゆる戦争は、はじめることよりも終わらせることのほうがよほど難しい。貿易戦争も同じである。目下の米中貿易戦争について、評論家の間では、米中のどちらが受ける影響が大きいかという低レベルの議論が少なくない。まったくナンセンスといわざるを得ない。今回の貿易戦争は、米中によるグローバル社会の主導権争いの様相を呈している。その影響を計量化することは難しいが、時間が経てば経つほど中国経済への影響が大きくなるのは明々白々である。

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執筆者プロフィール
柯隆(かりゅう) 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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