パキスタン反復「経済危機」が物語る「IMF卒業」の難しさ

執筆者:緒方麻也 2019年5月22日
エリア: アジア
今度こそ「カンフル剤」は効くのか(C)AFP=時事

 

 巨大インフラ投資などによる歳出拡大や対外債務膨張で国際収支の悪化に直面しているパキスタンが5月上旬、「国際通貨基金(IMF)」との間で39カ月、60億ドル(約6600億円)の支援パッケージで基本合意した。

 すでに中国やサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)といった友好国から90億ドル以上の財政支援を獲得しているパキスタンは今後、アジア開発銀行や世界銀行からも数十億ドル規模の支援を引き出す見通しで、120億ドルと言われる国際収支のギャップを埋めることは数字上、ひとまず可能となった。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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