「米中首脳会談」の実相(上)ファーウェイ制裁緩和「安堵と疑念」

執筆者:野口東秀 2019年7月4日
エリア: 北米 アジア
首脳会談は終わったが……(C)AFP=時事

 

 6月29、30の2日間にわたって開かれていた主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて行われた米中首脳会談では、貿易協議を再開し、中国に対する制裁関税第4弾(新たに3000億ドル分が対象)の発動を米国が先送りするなどで合意した。つかの間の休戦だが、中国の習近平政権は今後の対米関係をどう位置づけているのか。

 G20を前に筆者が中国のシンクタンクなどで講義・講演のために訪中した際、数度にわたって旧知の中国高官やシンクタンク関係者らが語った“中国の本音”を軸に報告する。

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執筆者プロフィール
野口東秀(のぐちとうしゅう) 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
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