2020年「タイ政権」を悩ます「政敵の反撃」と「イスラムテロ」の脅威

執筆者:樋泉克夫 2020年1月6日
タグ: タイ
エリア: アジア
「プラユットは出ていけ」と書かれたTシャツを着る新未来党の支持者。12月14日の集会にて(C)EPA=時事

 

 2014年のクーデターから5年ほど続いた国軍主体の暫定政権時代が幕を閉じ、2019年3月末の総選挙を経て民政移管が実現したタイ。閣外協力も含む大小19政党による連立の文民政権として装いも新たに発足したプラユット・チャンオチャ政権だったが、年末を前にして2つの難題が浮上してきた。

 1つは、タナトーン・チュンルンルアンキット党首が率いる「新未来党」の解党問題に端を発する反政府運動。もう1つは、国民の9割が仏教徒のタイで分離独立を目指して活動を続けてきた、イスラム武装集団によるテロ事件である。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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