風の向こう側 (62)

「激戦の敗者」にふさわしいのは「野次」か「拍手」か

執筆者:舩越園子 2020年1月10日
カテゴリ: スポーツ
エリア: 北米
右は勝者のトーマス、左が敗者のリード。当人たちは互いの健闘を称え合ったが……(C)AFP=時事
 

 エチケットやマナーを重んじるゴルフを観戦中、選手に野次を飛ばすのは、是か、非か。いやいや、ギャラリーの観戦マナーの是非を問うより、野次を飛ばされるような選手の在り方の是非を問うべきではないか――。

 米ゴルフ界では新年早々、そんな議論が巻き起こり、混乱を呈している。

「このインチキ野郎!」

 先週、ハワイで開催された米ツアーの2020年初戦「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」の優勝争いは、ジャスティン・トーマス(26)、ザンダー・シャウフェレ(26)、パトリック・リード(29)の3人によるプレーオフにもつれ込んだ。

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執筆者プロフィール
舩越園子(ふなこしそのこ) ゴルフジャーナリスト、2019年4月より武蔵丘短期大学客員教授。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。最新刊に『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)がある。
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