北朝鮮「非核化」危うし(上)「古い道」に戻るのか

執筆者:平井久志 2020年1月15日
エリア: アジア 北米
朝鮮労働党中央委員会総会での金正恩党委員長の報告は、7時間に及んだ(『労働新聞』HPより)

 

 北朝鮮は2019年12月28日から31日まで、異例の4日間にわたる朝鮮労働党中央委員会第7期第5回全員会議(総会)を開催した。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は7時間にわたる報告を行い、米国が米韓合同軍事演習を続け、経済制裁を続けている状況で「一方的に公約に縛られる根拠はなくなった」と述べ、一昨年4月の党中央委第7期第3回総会で決定した「核実験とICBM(大陸間弾道ミサイル)発射実験の中止」などの決定を撤回する可能性を示唆した。さらに「世界は遠からず、わが国の新たな戦略兵器を目撃するだろう」と語り、「新たな戦略兵器」の登場を予告した。

カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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