死者210人突破「新型肺炎」があぶり出した習近平政権の「弱点」

執筆者:柯隆 2020年1月31日
エリア: アジア
習近平主席の「強国復権」の夢を、ウイルスが打ち砕くのか (C)AFP=時事
 

 習近平政権は、国民に「強国復権」という夢の実現を呼び掛けている。これは、日本の明治時代の「富国強兵」と同じ文脈で語られている。

 世界2番目の経済規模を誇る大国・中国は、ほんとうに強国になれるのだろうか。アメリカとの貿易戦争は1年半も続いて、ようやく中国側の大幅な譲歩によって第1段階の合意に達した。

 香港で起きた抗議デモは、もともと逃亡犯引き渡し条例改正案の採決に反対するための動きだったが、やがて反中デモと化し、いまだに収束していない。

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執筆者プロフィール
柯隆(かりゅう) 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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