新型肺炎「感染源」いまも打ち消せない「疑惑」と「謎」

執筆者:野口東秀 2020年2月12日
エリア: アジア
マスクをしたままガラス越しにキス。女性は医療関係者なのか(中国のSNSより。筆者提供、以下同)
 

 中国各地で、湖北省帰りや感染が疑われる症状のある家のドアを、近所の住民が溶接したり板で塞ぐなどといった、おぞましい事態が散見されている。

 病院の門に立つ防護服の男の手には警棒があり、自宅から防護服の男たちに力ずくで押さえ込まれ連行されていく映像もみられる。即席の病院となった武漢の国際展示場では、入院者が、

「トイレが会場にひとつだけ。糞尿が外のそこら中にある」

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執筆者プロフィール
野口東秀(のぐちとうしゅう) 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
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