岩瀬昇のエネルギー通信 (259)

原油先物「マイナス価格」相場「4つの疑問」の解説

「マンデー大暴落」は日本の取引所にも衝撃を走らせた(C)時事
 

 筆者が「石油市場は『海図のない航海』へ漕ぎ出してしまった」との表現を初めて使ったのは、本欄『価格戦争「サウジvs.ロシア」本当の敵は「米シェール」という「仕組み」と「背景」』(2020年3月11日)でのことだった。

 ロシアが「OPEC(石油輸出国機構)プラス」を崩壊させ、サウジアラビアが「価格戦争」を開始し、「NYMEX」(New York Mercantile)のWTI(West Texas Intermediate)は、一時30ドル割れを記録していたころである。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top