凍結から1年半後「日立」遅すぎた英原発「撤退宣言」の背景事情

執筆者:安西巧 2020年9月28日
揃って英国で会見した中西会長(左)と東原社長。2015年のこの当時に決断していれば……(C)時事
 

 日立製作所が9月16日、英国での原子力発電所建設・運営プロジェクトから撤退すると発表した。あれっ? とクビを捻った向きも少なくなかったのではないか。

 というのも、日立はすでに2019年1月に「経済合理性の観点からプロジェクトの凍結を決定」(9月16日付同社ニュースリリース)と発表していた。その後1年半余りの間新たな動きはなく、プロジェクトは自然消滅した印象が広がっていたからだ。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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