風の向こう側
風の向こう側 (80)

静かに引退した「本当の英雄」が誇りに思うこと

執筆者:舩越園子 2020年10月13日
カテゴリ: スポーツ
エリア: 北米 ヨーロッパ
母国スコットランドでは彼こそ子どもたちの真のヒーロー(C)AFP=時事
 

「ポール・ローリーが引退を表明した」

 と聞いて、彼がどこでどんな大会を制したどれほどの選手だったのか、すぐに思い出せるゴルフファンは、世界中にどれぐらいいるだろうか。決して多くはないのだと思う。

 ローリーは現在51歳の英国人。スコットランド屈指の難コース「カーヌスティ・ゴルフリンクス」が舞台となった1999年「全英オープン」の優勝者だ。

 しかし、あの大会は「ローリーが勝った全英オープン」と言うより、「ジャン・バンデベルデが負けた全英オープン」として、ゴルフヒストリーにも人々の記憶にも刻まれてしまい、せっかくメジャー優勝を飾ったというのに、以後、ローリーには、どこか報われないイメージが付きまとった。いや、米メディアによって、そういう報じられ方をされてきたと表現すべきであろう。

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執筆者プロフィール
舩越園子 ゴルフジャーナリスト、2019年4月より武蔵丘短期大学客員教授。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。最新刊に『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)がある。
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