英国「ラスプーチン」を失脚させた「官邸内戦」と新たな「権力者」

執筆者:国末憲人 2021年1月5日
エリア: ヨーロッパ
11月13日、首相首席特別顧問を辞任し、報道陣に囲まれる英国の「ラスプーチン」ことドミニク・カミングズ (C)AFP=時事

 

 英国の2021年は、混乱と不安の中で幕を開けた。欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉は、年末の12月24日に合意に達したものの、今後どのような影響が出るか不透明なままである。加えて、新型コロナウイルスの変異株が見つかったことで、欧州各国は12月20日から英国との往来を次々と遮断し、FTA交渉の結果が出る前から、英国は孤立を味わうことになった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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