カナダに分断もたらすかバイデン政権「環境エネ政策」

執筆者:岩瀬昇 2021年1月26日
エリア: 北米
トルドー連邦首相(左)とケニー・アルバータ州首相の言い分は真っ向対立(ともに政府公式HPより)
 

 アルバータ州首相の言い分は、はたして理屈に合っているのだろうか?

 ジョー・バイデン大統領が就任初日に署名した17本の大統領令の中に「キーストーンXLパイプライン建設中止」が入っていたことは、本欄『バイデン政権早くも始動「環境エネ政策」大転換』(2021年1月22日)でご紹介したとおりだ。

『フィナンシャル・タイムズ』(FT)によると、この決定に対してカナダ・アルバータ州ジェイソン・ケニー首相が連邦政府に怒りをぶつけ、対抗措置を要求している由。いわく、この措置は「NAFTA」(北米自由貿易協定。今は内容が一部改訂され「USMCA」=米国・メキシコ・カナダ協定=となっている)の精神に反するので米国に対し経済制裁を科すべきだ、と。これに対し、連邦政府のシームス・オリーガン天然資源相は、米国との広範な協力関係を維持することこそが国益だ、米国の決定を「尊重すべきだ」と言っているとのことだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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