岩瀬昇のエネルギー通信 (344)

さらに加速「グリーンの証明」なきLNGが拒否される時代

執筆者:岩瀬昇 2021年2月9日
タグ: 日本
エリア: 北米
三菱地所は丸の内・横浜エリアのビルで使う全電力を再生可能エネルギー由来に切り替える(写真は丸の内オフィス街)

 

「再エネ由来の電力」って、何なのだろう?

 なぜ「再エネ電力」ではないのだろうか。

三菱地所、ビル電力を脱炭素 丸の内・横浜、再エネ由来に 22年度までに」と題する『朝日新聞デジタル』(2021年1月21日付)の記事を読んで、筆者は首を傾げた。

 そもそも電気(=電力)には色がついているわけでもないし、匂いがするわけでもない。

 送配電線を通じて各家庭や事務所・工場などに供給される電力を、電源燃料別にこれは石炭火力、こちらはLNG(液化天然ガス)火力からのもの、そしてこれが太陽光発電などと識別することができるのだろうか?

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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