コロナ禍のアフリカで横行する「超法規的殺人」と「メディア規制」

執筆者:白戸圭一 2021年6月16日
カテゴリ: 政治 社会 IT・メディア
エリア: アフリカ
ナイジェリアでは圧政に対する抗議デモが広がっている(C)AFP=時事
アフリカで国家権力による暴力と抑圧が急増している。ナイジェリアではツイッターの利用が禁止されたが、その背景には治安機関による少女射殺事件とそれに対する国民の抗議デモがあるという。

 

 ナイジェリア政府が6月4日、国内でのツイッターの使用を禁止すると発表した。「(ツイッターが)宗教、人種差別、排斥主義やニセの情報を拡散している」ことが停止の理由だという。司法省は違反者を起訴する考えを明らかにしている。

 ナイジェリアはアフリカで最大の人口と経済規模を擁し、ツイッター利用者は国民のおよそ5人に1人に当たる約4000万人と推計され、禁止措置の影響は甚大である。米国の国務省は10日、ナイジェリア政府に対し、表現の自由に関する国民の権利を尊重して禁止措置を撤回するよう求める声明を発表した。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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