米露首脳「合意しないことで合意」の今後を占う7月外交

執筆者:名越健郎 2021年6月22日
エリア: 北米 ヨーロッパ
まるで禅問答のような結果に終わった米露首脳会談の評価は、なかなか難しい (C)AFP=時事
互いに「レッドライン」確認に止めた背景には、米国にとっての東欧・米議会、ロシアにとっての下院選・大統領選という、「米露緊張」が好都合な要素への目配りもあるだろう。当面の注目は、7月16日に失効日が控える中露善隣友好協力条約の行方だ。
 

  6月16日にジュネーブで行われた米露首脳会談は、核軍備管理やサイバー犯罪で新たな対話の枠組みを設けることで合意したが、具体的な成果は乏しかった。

 両首脳は会談後、「指導者同士の直接対話に代わるものはない。会談のトーンはポジティブだった」(ジョー・バイデン米大統領)、「会談は極めて建設的で、プラグマティックだった」(ウラジーミル・プーチン露大統領)と意義を強調したが、ウクライナや人権、ロシアによる対米サイバー攻撃など懸案で進展はなかった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『北方領土はなぜ還ってこないのか』(海竜社)など。
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