検問を抜けるために真智の仲間が手配してくれたのは、豚の運搬車に潜む方法だった。予想外の手立てに、不安も募るが……。
[承前]
運転手が由奈に顔を向けた。
「小さな仕切りの中で、ちょっとじっとしているだけだよ」
真智が訊いた。
「どのくらいです?」
「調布インターで乗って、高井戸で検問を受ける。抜けたら、次の永福パーキングエリアで下ろす。検問の時間を見ても、最大で一時間」
運転手は、信也に言った。
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