ロシアによるウクライナ侵攻は、多くの人が想定していたような、サイバー空間や宇宙空間で繰り広げられる情報戦や心理戦を含む「ハイブリッド戦」ではなく、いかにも古めかしい、戦車や装甲車による都市攻撃と、ミサイルによる無差別爆撃といった戦術が取られた。2014年に迅速にクリミア半島を占拠した時のような、内部に呼応する勢力もなく、また、ウクライナ北部、東部、南部と全域に戦線を広げ、目的のはっきりした軍事行動ではない、ウクライナ全土の同時掌握を目指すかのような大規模な作戦を展開することで、局地的な勝利を目指す「ハイブリッド戦」の方式を取ることはできなかったものと思われる。
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