「後継はパトルシェフ」――ネットの怪情報が示唆するロシア情報機関内部の異変

執筆者:名越健郎 2022年5月5日
エリア: ヨーロッパ
「テレグラム」での、「SVR将軍」の投稿ページ。事実なのか、フェイクか(「Telegram」より)
クレムリンの内部情報が漏れだしつつあるロシア。中には情報機関からのものと思われる、プーチン大統領の健康や後継者の問題も。これまで大統領を支えてきたエリート層に、異変が生じている可能性がある。

 ロシアのウクライナ侵攻が泥沼化する中で、ウラジーミル・プーチン露大統領を支えるエリート層に異変が観測されている。情報機関の反プーチン派とみられる要員が政権内の混乱をめぐる内部情報を漏洩するほか、閣僚らの退陣説も伝えられる。新興財閥オリガルヒの一部は反戦を表明。相次ぐ不審死も伝えられた。

 プーチン大統領の支持率は4月初めに80%台に上昇し、愛国主義が高揚しているものの、政権エリートや情報機関など実力組織が今後、大統領から離反する可能性もある。戦闘長期化は政権に大きなリスクだ。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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