
志賀海神社(福岡市東区志賀島)の境内にある鹿角堂には、大量の鹿の角が奉納されている(筆者撮影)
いよいよ、スサノヲの正体に迫ってみたい。スサノヲは創作された偶像なのか、あるいは実在したのだろうか。モデルがいたとしたら、どこからやってきたのか。どのような業績を残したのだろう。
藤原氏の政敵の祖?
神が実在したなどという発想は、非常識と思われるかもしれない。しかし、スサノヲは日本海を股にかけて活躍した英雄だったのではないかと疑っている。そう考える根拠は、いくつもある。
まず第1に、考古学が多くの常識を覆し、ヤマト建国に至る道のりをほぼ解明してしまい、神話の一部が、歴史をなぞっていた可能性が出てきたことだ。『日本書紀』はヤマト建国の歴史をお伽話にして真相を抹殺してしまったが、隠しきれなかったいくつかの史実が残っていたと思えてきた。

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