【Analysis】婚外交渉禁止「インドネシア刑法改正」の裏に打算と妥協

2023年1月9日
エリア: アジア
断食月ラマダンの終わりを告げるイード・アル=フィトルの日、集団礼拝に参加するムスリムの少女が風船を手にする[2022年5月2日、ジャカルタ](C)Reuters
世界最大のイスラム人口を有するインドネシアで刑法が改正され、婚外交渉や未婚カップルの同棲などが違法となった。こうした「道徳律」の導入を強く求めたイスラム系政党に対し、連立与党の世俗ナショナリスト系政党は当初、反対の姿勢を示したものの、2024年大統領選を視野に“姦通の後援者”という烙印を嫌って妥協したという。

[ジャカルタ発(ロイター)]世界最大のイスラム人口を有するインドネシアで昨年12月に成立した改正刑法は、婚前・婚外の性交渉を違法としたことで世界の耳目を集めたが、その成立過程ではイスラム系諸政党が道徳上の罪にさらに厳しい罰則を求めたようだ。

 226ページに及ぶ改正刑法は、評論家たちに市民の自由を脅かすものと指弾されるが、当局はインドネシアのアイデンティティを反映したと主張している。道徳律と称される項目は、そのほんの一部に過ぎない。

カテゴリ: 政治 社会
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