Weekly北朝鮮『労働新聞』 (4)

米韓合同軍事演習への反発と「農村問題の解決」(2023年3月12日~3月18日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年3月20日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
ICBM発射実験を視察する金正恩党総書記(左)と「お嬢さま」(『わが民族同士』HPより)
米韓合同軍事演習に反発しICBM発射実験。ただし、党中央軍事委拡大会議のトップの議題は「農村問題の解決」だった。「戦争抑止力は核・ミサイル」「軍人は経済・農業支援に動員」の方針強まる。『労働新聞』注目記事を毎週読解。
 

 3月13日から23日まで11日間の予定で米韓合同軍事演習「フリーダム・シールド」が始まった。春季定例演習としては5年ぶりの大規模な野外機動訓練であり、北朝鮮側は強いトーンで何度も不快感を表明してきた。12日付1面トップは、前日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記「指導」のもと開催された朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議において、「戦争抑止力をより効果的に行使し、威力的で攻勢的に活用するための重大な実践的措置」について討議されたことを報じており、16日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星砲17」型の発射実験が行われた……

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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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